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2012_03
30
(Fri)23:17

絵本『地獄』の服用のてびき。

今日、朝のフジテレビ情報番組「とくダネ!」で、
絵本『地獄』が大々的に取り上げられました!

絵本・地獄絵本・地獄
(1980/08)
不明

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それも、なんとCMを2つまたいで、
15分くらいの特集ッ!!

やー、びっくりしたなァ、もう。

全体の論調は、
「今、子ども達のしつけのために、大人気!」といった感じ。
ただし、コメンテーターの深澤真紀女史は、“脅迫的な部分を強調”して解説なさってました。

たしかに、この絵本は取り扱いが難しい部分は否めないですねえ。
書かれた30年ほど前とは、世相が違いますし、
人によっては「児童虐待だ!」と考えるかも。
現に、アメリカではこのままでは子供向けにはちょっと紹介できないみたい。

これらを踏まえた上で、是非購入なさればよろしいかと思います。
テレビのとおり、やんちゃな男の子には、効果絶大!な事例もありますし、
性悪説でもって人間を育てるならば、
最大の暴力装置としての地獄の存在をしっかりと胸に刻み付けるには、
絵本というのは最良のメディアでしょう。
ただし、人の中の猟奇性をくすぐる部分は否めないですし、
子どもながらに恐怖に慣れていて、全然平気でききめなし、ということもあるのかも。
もちろん、千差万別ですがね。それは、大人だっていっしょ。

ただし、重要なのは、一点。
30年前には、実際に子どもの自殺が相次ぎ、社会問題にまでなりました。
(参考サイト:別に藤原正彦氏の批判をしたいんじゃないんだけど、反論としてそのあたりが非常に良くまとまっていますので・・・)
ご覧いただければおわかりの通り、自殺の前に、「いじめ」の問題があるんですね。
「いじめ」の終着点としての「自殺」。
風涛社の先代社長さん(一度、ゆっくりとお話もさせていただきました)は、なんとしてでも、子どもたちの自殺を止めたかった。
日本の未来であるはずの、子ども達が自死を選んでしまう。
出版人として、ひとりの父親として、なんとしてでもこの現象に歯止めをかけなければ、と決意なされたのでした。

詳細は存じませんが、当時の編集者の方々が力を合わせて、さらに監修者として、当時地獄研究の第一人者であられた宮次男先生を招いて、
ようやく完成したのが、絵本『地獄』だったのです。
(衝撃力の強い絵本だけに、最初はなかなか本屋さんにも置いてもらえず、本当に苦労されたそうです。)

いろいろ言いたいことはありますが、とりあえず横に置いといて、
子どもの社会に「いじめ」がはやったのは、核家族化、かぎっ子なども影響あるでしょうが、
やはり大人の社会の中でいじめが容認されていたからではないでしょうか。
高度経済成長のなかで、熾烈に蹴落としあいをしていた大人たち。
それらが、どんなに薄まろうとも、子どもたちの生活意識に影を落とさなかったはずがない。

そこに、“悪は裁きを受ける”という、当たり前の、しかし大人たちが時に目をつぶってきた昔からの価値観を、もう一度子供たちに教えなおしたところに、この本の大きな価値があったのだと思います。
ちょうど、大人たちが
「地獄?そんな古臭い世界!そんなの、ない、ない!」と、仏教を馬鹿にして、その実、自分さえよければと、さんざんめちゃくちゃをしてしまっていたころ。
大人が、子どもに面と向かって、「悪いことすると、地獄におとされるよ!」とお説教する資格がなくなったころ。
そんな時に、絵本『地獄』が誕生したのでしょう。

直接的には、因果応報を子供たちに教えるため
そして、作者たちの込めたかった祈りとは、「どんなつらいことがあっても、ぜったい自殺なんかしちゃダメだよ!」

こんな思いで作られ、読み継がれてきたのです。


しかし、今は当時とは世相が違います。
もちろん、高度経済成長のころ以上に、
倫理的にどうかしている経済人も多いでしょう。
それらが子どもの生活意識にも反映して、学級崩壊が起こったり、
社会通念としても価値観の多様化が急速にすすんだり。
(多様化いうことばを隠れ蓑として、その実、モラル・ハザードだったり)。

小学校の教員のなかには、
「“いただきます”は宗教行為だからしません」とか、
授業のはじまりとおわりの挨拶さえもしない、なんて、
「はあ?どっかおかしいの??頭、だいじょうぶ???」
みたいな考えの人もあったりして、
さらに、我が子だけをまもるためにモンスター化する親があったり、
さらには原発への危機意識も啓発せずに、国の言いなりになって子どもに被曝をしいるような校長がいたり・・・。

今、親たちも、子どもに対してブレない道徳基準で叱ることが難しいのかもしれません。
いや、そういうことが出来ない親たちさえ、たくさんいるのではないでしょうか?

たしかに、この絵本の今のブームに火がついたのは、
東村アキコさんのマンガ「ママはテンパリスト」によるところが大きいでしょう。

しかし、親たちにとってみれば、それは自分が到底出来ない、恐怖による厳しいしつけを、
ある意味手軽に出来る、というところに新鮮さがあるのかもしれません。(極端、買い与えるだけでいいわけですから。でも、やっぱり親が子に読み聞かせて欲しいところですが。)

しかし、難しいのは、病気などで早く死んでしまう子供たちがいる、ということです。
30年前の、割とシンプルな価値観の時代なら、まだギリギリよかったかもしれません。

しかし今や、多用な価値観の時代なのです。
ひとりでも、たったひとりでも、しかたなく死んでいく子どもがいるのなら、この絵本そのままでは、あまりにも毒が強すぎる、のかもしれません。

ここは、やはりあくまで自殺を選ぶ子どもをなくすための抑止力としての絵本なんだ、
というところを、共通認識として、もたねばなりません。

そして、病気で早逝してしまう子どもたちは、逆に純粋なうちに仏様の世界に帰る用事があったのだ
といった理解を広めて、フォローしなければならないのかもしれません。

子どもの死を厳しく戒めてしまう内容のもつ毒を、いかにフォローするか。
まさにこの一点こそが、今の時代にこの絵本を読み継ぐに当たっての、最重要課題に思えてなりません。



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